Bossの英語旅

いつでも取り戻せるのが「英文法」、取り戻すのが難しいのが「英単語」。だからコツコツと英単語を頭と心にインパクト。英語指導歴20年以上のBoss先生による中学英語New Horizon(ニューホライズン)や英検応援ブログ。無料練習プリント多数あります!ご自由にどうぞ!

小学生が英検合格するために必要な「意見力」と「さりげない鍛え方」

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Hello, はてなブログ

日本人英語講師のBossす。

 

小学生で英検2級に合格、それ以上の級を目指す上で、必ず身に付けなければいけない事があります。それは、

 

自分の意見力

 

今日は、さりげない親子の会話から、世の中で起こっている事を知識として吸収させ、それに対して自分の意見が言えるようにする練習方法を紹介したいと思います。

 

少し硬い内容も含まれますが、肩の力を抜いて、

「あぁ、なるほどねぇ」と少しでも共感して頂ければ嬉しいです。

 

 

 

合格しても侮れない課題

小学5年生の合格例(一次試験)

生徒:A君

学校:公立小学校

指導歴:5年目

取得英検級:2級(2019-1:2019年6月実施)

英語活動:小学校入学前までに英語に触れる機会は特になく、ABCから指導を開始。ハリーポッター、スターフォーズが好きなり、何度も同じ作品を見る事でリスニングは飛躍的にアップ。現在、英会話スクールと私の授業を並行しながら英検準1級の勉強中。

 

※実際の一次試験の合格通知(保護者の方から掲載の許可を頂きました。)

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スコアから総評

合格した前回の試験(2019年6月実施:2019-1)の一次試験結果票です。

  • リーディング:36/38(正答率:95%)→CSEスコア621/650  ⭕️
  • リスニング:27/30(正答率:90%)→CSEスコア611/650 ⭕️
  • ライティング:11/16(正答率:63%)CSEスコア498/650 ❌

今回は意見力をテーマに進めますので、長文問題やリスニングの練習方法はまたの機会に紹介します。

特に子供にとって絵から英単語のイメージをする「ピクチャーディクショナリー」を使用したインパクト法は、効果を実感しやすく、「楽しく、自然に覚えらる」と生徒や保護者の方にも好評です。すでに5年目のインパクト歴。今では1級レベルの英単語にも挑戦中です。

 

 

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課題はアウトプット

リーディング、リスニング→⭕️(インプット力)

典型的なインプット型の生徒ですが、そのインプット力が優れていたので得意な部分をとことん伸ばすべく、反復練習を繰り返した成果が出ました。能力的には準1級も7割は正答できると思っています。

 

ライティング、※スピーキング→❌(アウトプット力)

※その後のスピーキングテストもギリギリの点数でした。

彼の弱点である、

「自分の意見を伝えるのが苦手」→「ライティング、スピーキングが嫌い」

この苦手意識を最後まで払拭することが出来なかったのが私の中での大きな反省点となりました。

私が生徒に用意しているテンプレート(雛形)で構成を整え、「何とか制限文字数内で書きる!喋りきる!」ことで深掘りせず、完結させることだけは徹底していたので、最少失点で防げたのかなと思いますが、課題は残りましたね。

 

結果として、リーディング、リスニングの技能は飛躍的に向上しましたが、その技能に適したライティングとスピーキングは出せず、4技能のバランスを崩しています。

 

アウトプット力=意見力を鍛えなければと感じた今年の夏でした。

 

親の覚悟も確認

 本人も親御さんも準1級を目指すとのことでしたので本音を伝えました。

 

「バランスが悪いです。自分の意見を言う練習がまだ足りません。これではただ英検2級に合格しただけのただラッキーな少年です。アウトプットの強化をしてから準1級に対して明確な目標を立てましょう」

 

安易に準1級という次の目標を口に出させません。

あえて厳しい言葉を並べ、現状の問題点を告げます。それは一番苦手なアウトプットに取り組むから、気持ちを確かめたいのです。

 

正直、インプット型は私と親御さんで管理して進めていけば必ず時間が解決します。

問題は、今回の記事のテーマにもなるアウトプット力=「意見力」です。

そして、アウトプット力こそ真の英語力となるからこそ、彼に身につけてもらうことが私の使命です!だから、親御さんにも協力して意見力を鍛えていきます。

 

子供とのさりげない会話を意識

まずは日本語で語りかける

課題は与えられたトピックに対する背景知識その知識から述べる意見力

 

しかし子供にとっての弱点は経験値=知識の無さ

どのように落とし込むか?

 

まずは、その知識の背景とキーワードを日本語で語りかけることから始めます。

 

ここで親子の関係性を大いに活用します。

 何気ない親子の会話の中をしてください。

 

直接的な質問を避ける

決して子供に直接的な質問を投げかけないでください。

  • 「少子高齢化社会についてどう思う?」
  • 「消費税増税に賛成?反対?」
  • 「原子力発電は引き続き推奨されるべき?」 

また、

  • 「さぁ、今日は高齢化社会についてとことん語り合うよぉ!」

と威勢よく声を掛けても子供は正直なリアクションをします。

 

「嫌だ!!」

 

この子供からのサインは危険信号と受け止めてください。

右から左に話が抜けていくサインです。

子供は興味を失い、アウトプットどころか英語の勉強に対しても拒絶反応を示します。

 

どんな話題が問われるの?

英検は世界情勢や社会問題に関して様々な角度から意見力を問われます。

まずは出題傾向からみてみましょう。

 出題の傾向

テーマ別、出題頻度の高い順に並べてみました。 

 

□テーマ別出題傾向

政治(貧困問題、テロ対策、食料問題、国際社会における日本の役割...etc)

経済(グローバル化、外国人労働、働き方...etc)

環境(温暖化対策、自然保護、動物の権利...etc)

高齢化、男女平等(少子化対策、高齢化問題、女性の社会進出...etc)

科学、技術(原子力発電の是非、再生可能エネルギー、クローン技術...etc)

文化、メディア(歴史的建造物の保護、ネット規制...etc)

スポーツ(オリンピック関連、体罰問題...etc)

教育(大学授業無償化、英語教育、道徳...etc)

 

難しく聞こえますよね??

英検1級になるとストレートに聞かれますが、英検2級レベルの場合は一定の情報を提供され、より噛み砕かれた表現で問われます。

 

 英検2級の出題例

 

□出題のされ方

Q. Today, more and more foreign people work in Japan. Do you think the number of these people will increse in the future?

近年、ますます多くの外国人が日本で働いています。今後、そのような外国人は増えていくと思いますか?

 

(推奨されている理由:※英検2級は使用の有無は自由)

Population:人口

Globalization:グローバル化

Economy:経済

 

直近3回分の過去問は公式HP から確認できます。

www.eiken.or.jp

 

子供の意見力に制限をかけたくないので私の授業では英検2級で提示される理由群は使用しません。

また、推奨される理由に頼ってしまうと、その英単語の意味が分からなかった時に戸惑います。

 

次にどのように質問されるかですが、

上の問題であれば、

 

  • 外国人が多く日本で働いている現状一定の情報提供
  • その傾向が続くと思うか?ここが意見力を問う問題

一定の情報を与えられるのでそこからYes or Noの立場を明確にし、理由を述べる。

この理由の部分が意見力となります。

 

当然、小学生1人では対処できません。私も毎日側にいることはできません。

だから親の助けが必要

それでも小学生にとっては、難しい問題です

意見を述べるにも、背景知識がないと述べようがありませんから。

 

どう知識を整理し、いかに子供に噛み砕いて理解させるか?

そして子供にどう意見を述べさせるか?

 

さぁ、お父さん、お母さん、

皆さんの出番ですよ!!

 

具体的な取り組み方

先に答えをそして流れを意識

子供に意見を述べさせるのに先に答えを教えてしまうの?

はい、教えてしまいます。会話の中で問題点から原因や改善点などあらかじめ伝えるようにしています。その伝え方に工夫を加えます。

 

具体例

問題の作り方のコツ

例1:英検過去問を使用。過去3回分は公式HP、それ以降は市販の英検過去問集を利用

例2:自作で問題を作る場合。日本語でも構いません。問題に対しての一定情報を提供してください(一行)。そして、賛成、反対の立場を問う質問を作ります(一行)。

(例):近年、多くの人が携帯電話を持っています。携帯使用中の人々のマナーはいいと思いますか?

 

まずは、子供が想像しやすい話題をピックアップしてもいいと思います。

子供にとっては、教育問題は想像しやすいですよね。

 

□子供がイメージしやすい話題

英語は日本人にとって必須の言語?
学生服は必要?
英語の授業はネイティブに?
授業にPCやタブレット端末(I-pad)の導入は?
高校、大学の入学試験は必要?

...etc

 

慣れてくれば、最新ニュースから話題ピックアップするのがオススメです!

 

□最新のニュースから
首里城の崩壊と再建

→歴史的建造物の保護の重要性の有無、お金をかけても再建する意味は?

 

男女格差の大きさ、未だに変わらず最低レベル(12/17発表)

→なぜ?→国会議員や会社の役員に女性が少ない 

...etc

 

調べるネタはいっぱいあると思います。

 

問題例

Q. Today, more and more foreign people work in Japan. Do you think the number of these people will increse in the future?

(近年、ますます多くの外国人が日本で働いています。今後、そのような外国人は増えていくと思いますか?)

準備:親御さんの準備

上記の問題に関してまず大きいテーマを決め、それにまつわる疑問点を洗い出し、答えを用意する。

テーマ:経済、外国人労働者、少子高齢化社会

疑問点→答えポイントは正確な答えよりも子供に理解させること!

 

□想定するQ&A
  • なぜ外国人労働者は増えた? →働く世代(若い世代)の減少
  • そのまま放っておいたらどうなる?→景気後退、経済低迷
  • なぜ働く世代の日本人が少ないのか? →少子高齢化→子供が減少
  • なんで子供の数が減少しているの? →不景気、収入不安定→子供を養う余裕がない
  • 日本に住む外国人のメリットは、デメリットは?→ 英語の必要性、犯罪率増加

 

専門家のように調べる必要はないです。新聞、TVのニュースやネットの記事なども深読みし過ぎず、常に子供にどう伝えるかの流れを意識してQ&Aをあらかじめ作成します。

  

ここが親御さんの大事な準備です。ここは頑張りどころです!

まずは、自分で準備ができる話題からテーマは選んでいきましょう!

子供も頑張ります、だからこそ親の頑張る姿も見せてください!

 

実際の子供との会話

(なぜ外国人労働者は増えた? →働く世代(若い世代)の減少)

私:今、A君のクラスって何人いるの?

A君:32人だよ

私:その中に何人くらい外国人の人いるの?

A君:ハーフの子が3人と中国人が2人とインド人が1人だよ

私:へぇーー、本当?先生の時は45人みんな日本人だったよ

A君:45人もいたの?多すぎて名前覚えられない...ね

私:道歩いてても外国人の人増えたよね?ほら、近くのコンビニの店員さん

A君:あ、知ってるよ!いつもハローって言ってくれる!

私:なんで外国人の人増えたんだろうね?

A君:分かんない!

私:元気いっぱいで働く日本人が減ったんだよ...

A君:へぇ、

私:だってコンビニ行っても店員さんいないの嫌でしょ...笑

A君:笑

私:コンビニ近くにあったほう便利でしょ?だから数を減らさない代わりに外国人の人に働きませんかぁ?って声を掛けて働いてもらってるの

 

(少し寝かせて授業の終わり際に本人と答え合せをします。)

私:英検のライティングあるじゃん?

A君:うん?

私:実際の問題から最後に一つだけ質問して良い?良く出る質問だからこれだけやりたいんでよね。

A君:うん、

私:日本で働く外国人の人はこれからも増えると思いますか?Yes or No?

A君:...えぇ...分からない

私:あれ、コンビニ...

A君:あぁあぁぁ...Yes. 

私:なんで?

A君:えっと...元気に働く日本の人が少ないから。

私:はい、正解!!!こんな質問だから一緒に探ってみようね!

 

もっと細かい流れでしたが、長くなりますので所々ショートカットしました。

 

ポイントは、先に問題の中核をサラッと話すこと。つまり、答えを先に伝えておきます。さりげない会話で強調することなく、「あ、そういえばこの前こんなことがあって...」な普通の会話を意識してください。

 

逆質問は知識を増幅させる

子供からの逆質問は興味のサイン

子供から逆質問が来る場合もあります。むしろ子供から逆質問されるような会話を心がけてください。

「なんで働く日本人の人減っちゃったの?」

と子供から質問されれば、子供からの大事なサインです!知りたいんですよ!親から一方的に話す知識は子供からすればお経を聞かされているようなもの。だから、子供に相槌を打たせるような小さい質問(Yes/Noで答えらる)や子供のリアクションに大げさに反応するなど、ポジティブに反応し続けてください。そうすると、自然と子供から疑問投げ掛けられます。

 

親は質問に答える準備を!

 

さぁ、みなさん、子供から

「なんで働く日本人の人減っちゃったの?」と聞かれたらどう答えますか?

 

子供の逆質問に答えられる知識を親御さんも日頃からアンテナを張り巡らして準備してくださいね。

 

 

最後に英語にさせる

 

子供に考えさせてください。

 

「働く日本人が少ない」はなんて英語で書く?

 

働く日本人=Japanese workers

少なくなる=decrease, decline

 

英検2級レベルであれば、簡単な文章で構いません。

  • Japanese workers decrease.
  • Japanse workers are decaresing.
  • There are not so many Japanese workers.

 

これで良いじゃないですか?

知りたいのは理由を述べられう意見力です。

その意見力を自分のものにできると次の段階に進めます。

 

そう、その意見は使い回しができうる最強の武器となります。

 

現在のA君の成果(半年後)

 

  • There is a decrease in working population in Japan caused by lower birthrate and aging population.
  • A decreasing number of younge workers caused foreign people to work in Japan to support Japanese economy.

 

最初の頃にJapanese workers are decreasing としっかり意見を自分の引き出しに入れたので、「こんな表現なんかどう?」と私から提案してみます。少しずつ意見の深みも加えます。この時には子供はこちらを向いてます。だってこの話題についてこれるようになったから。ここが大きなポイントです。分かるから付いてこられるのです。

 

訳の分からない知識から背景知識が付き、さいりげない会話で拾った意見がベースとしてあるA君は自然と欲を出して、よりカッコよさそうな表現をピックアップし得意のインプットで自分のものにしてしまします。そうして覚えた表現は、定期的に同様の質問をして確認します。

 

準1級や1級でも問われ方が変わるだけで、今日学んだ意見力の引き出しは十分に活かせます。

 

英検1級でも使える

 

□英検1級レベルの出題例

Q. Is the declining population the biggest problem facing Japanese society?

(人口減少は日本の社会が直面する最も大きな問題か?)

-It would result in a decrease in working population, which could undermine the economy.

( 結果としては労働人口が減少し、経済が低迷する可能性がある。)

 

Q. Should Japan's low brithrate be considered to be a national crisis?

(出生率の低下は国家の危機として考慮されるべきか?)

-Low brithrate would result in a decreasing number of young workers down the road, which could cause the danger of economic collapse. Therefore, it should be considered a national crisis.

(出生率低下は将来的な若い働き手の減少に繋がり、経済崩壊の危険性をまねく可能性がある。よって、国会の危機と考慮されるべきである。)

 

少子高齢化問題や、労働力を問う経済系の問題ではこの働く世代の減少はキーポイントの一つになり、上記のように級が上がってもしっかり使い回しができるように彼には頑張ってもらいます。

 

そこから、景気衰退→国家弱体まで進めてみたりするとどんどん使い勝手が良くなる意見になります。

 

 

最後に

今話題となっているニュースにアンテナを張り巡らせて少しだけ掘り下げて、疑問とそれに対する答えを親御さんで用意してください。

 

大変ですが、英検2級、そしてそれ以上の級を目指す小学生にとってライティング、スピーキングで高得点を狙うための背景知識と意見力の強化は必須です。

 

是非、親子で進めてください。

 

最後に身につけた意見力を必ず今の自分のできる限りの英語力で説明してみてください。

 

Simple is best. 

 

長い文章が言い訳ではありません。文章は短くてもしっかり英単語を使えていたらよりメッセージが強く相手に伝わります。

 

これからも、英単語にフォーカスした旅は続きます。並行して今回のような話題にも触れながら楽しい英語の旅にしていきます。

 

決して深く受け止め過ぎず、最初の一歩にフォーカスを当ててください。

その一歩が大事なのは、一歩足を進めた親子にしか分かりません。

 

そして、一般の英語学習者の方もこの意見力をつける方法は効果があります。

親御さんの力を借りず、自分で進めるのです。

英検準1級、1級を目指す英語学習者は、自学自習が出来ます。

 

少しずつでも前へ、継続して進めてください!

 

さぁ、意見力を開花させましょう!!

 

 

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それでは、

 

peace out

 

Boss

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